毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日
ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日(サンクス・デー)として、その日にしか出ない「サンクスケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。
2023年のサンクス・ケーキのテーマは、「あるがまま」。ケーキを組み立てる中で必要なソースやジャムなど、月毎の主役となる素材を使うことで、素材が持つ「あるがまま」のおいしさをお楽しみいただけるサンクス・ケーキをおつくりします。
長野県やまさ農園さんの西洋梨「ラ・フランス」
やまさ農園さんでは、除草剤・科学肥料を使わず、必要以上の農薬を使わずに育てた果物を、食べるのに適した、ちょうどよい時期に収穫することにこだわって栽培されています。今回使わせていただく品種は、ラ・フランスです。ラ・フランスは、西洋梨の他の品種に比べて、花を付けてから実になるまでに時間がかかり、その分天候や病害虫の影響を受けやすいため、栽培の手間がかかる品種です。でも、追熟したラ・フランスは、しっとりジューシーでとろけるような食感の果肉、甘く芳醇な香り、そしてやさしい酸味があり、その味わいに魅了され「果実の女王」とも呼ばれます。
こだわりの11層が織りなす絶妙な味わい
西洋梨「ラ・フランス」と自家製のキャラメル、ジョコンド生地(アーモンドを使った生地)などを重ねておつくりしたケーキは、なんと11層!ラ・フランスは、フレッシュのスライスと、全体のバランスを考えてキャラメリゼしたラ・フランスを用意しました。また、オーガニックシュガー使って自家製のキャラメルを炊き、クリームやグラスに仕立てました。アーモンドの風味豊かなジョコンド生地にはシロップをしっかりと打ち、しっとりとした食感に。ラ・フランスの芳醇な香りと自家製キャラメルの優しい甘さが絶妙なハーモニーを生み出します。11層でありながら、一体感があり、食感はまるで完熟のラ・フランスそのものを食べているかのような・・・、しっとりジュワ~ッとお口の中においしさが広がります。
初冬にふさわしいケーキを...
11月のサンクス・ケーキは、パティシエの三木が担当いたします。初冬になり少しずつ寒さが増して、温かいコーヒーや紅茶に合うケーキがおいしい季節。主役となるラ・フランスと相性も良く、こっくりとした味わいのキャラメルを合せることにしました。さらに、生地のしっかりとした食べ応えを加えることで、冬の訪れを感じるケーキを目指しました。ケーキは、フランス伝統菓子のオペラからヒントを得て、薄い層を重ねることに。キャラメルの甘さは控えめに、ラ・フランスの芳香を大切にして、全体のバランスを整え、口溶けの良いケーキに仕上がりました。どうぞ季節ならではの旬の味わいをお楽しみください。
(開発担当:三木 弘太郎)
※バター・ペアはラ・フランスの別名で、バターのように滑らかで芳醇な洋梨(ペア)を意味します。
長野県産の西洋梨「ラ・フランス」と、相性のよいキャラメルとアーモンド風味豊かな生地が織りなすハーモニー