毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日
ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日(サンクス・デー)として、その日にしか出ない「サンクスケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。
2023年のサンクス・ケーキのテーマは、「あるがまま」。ケーキを組み立てる中で必要なソースやジャムなど、月毎の主役となる素材を使うことで、素材が持つ「あるがまま」のおいしさをお楽しみいただけるサンクス・ケーキをおつくりします。
千葉県船橋市の農家さんから届く和梨
9月のサンクス・ケーキの素材は、千葉県船橋市で明治時代より6代続く果樹農家の芳蔵園さんから届く和梨です。品種は、旬を迎える「豊水」を予定しています。日本有数の梨の名産地である千葉県船橋市は、関東ローム層という火山灰土壌が多く、水はけも良く、梨の栽培に適した土壌に恵まれています。芳蔵園さんでは、長年研究を重ねてつくったオリジナルの肥料を使い、さらに交配・剪定・摘果・芽かきなど、苗からすべて手作業で丁寧に栽培されています。恵まれた環境で長年培われた技術で栽培された梨は、切り口から甘い果汁がポタポタと滴り落ちるほど。そのままで充分おいしい梨を贅沢に使って、サンクス・ケーキをおつくりします。
和梨のケーキにチャレンジ!
今回のサンクス・ケーキは、ラ・テール洋菓子店シェフパティシエの池田が担当。果物の中でも人気の高い「和梨」。でも、あまりケーキの素材としては使われませんが、その香りは繊細でさわやか。水分が多く、ケーキにするには難しい素材です。しかし、その優しい味わいは、ラ・テールで使う素材と合うのではないか、と考えてサンクス・ケーキでチャレンジしてみることに!ジューシーで歯切れのよいシャリッとした食感を生かしたく、大きくゴロゴロとした大きさにカットしました。フレッシュな梨だけなく、赤ワインのコンポートもおつくりして、二種類の梨をお楽しみいただける仕上がりとしました。
ほんのりチョコレート風味のショートケーキ
まだまだ残暑の厳しい季節ですが、9月に入り秋を感じていただけたら...との想いから、生地は、チョコレートを合せた口溶けのよいラ・テールのオリジナルのスポンジ生地を焼き上げました。チョコレートの生地で、自家製のカスタードクリームに生クリームとサワークリームを合せた後味さわやかな特製クリームをおつくりして、フレッシュな梨と梨の赤ワインコンポートをサンド。赤ワインコンポートは、梨を赤ワイン、スターアニス(八角)、バニラで煮て風味をまとわせました。仕上げにも、フレッシュな梨と梨の赤ワインコンポートをたっぷりと!ほんのりとチョコレートの香る、梨たっぷりのケーキに仕立てました。
※梨のコンポートに使用した赤ワインは、アルコール分を飛ばしています。
(開発担当:池田 義行)
瑞々しい和梨を使った、ほんのりチョコレートが香るショートケーキ。