毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日
ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日(サンクス・デー)として、その日にしか出ない「サンクスケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。
2023年のサンクス・ケーキのテーマは、「あるがまま」。ケーキを組み立てる中で必要なソースやジャムなど、月毎の主役となる素材を使うことで、素材が持つ「あるがまま」のおいしさをお楽しみいただけるサンクス・ケーキをおつくりします。
クレープシュゼット×ミルクレープ
4月のサンクス・ケーキは、ベテランパティシエの栗原が担当。春は柑橘の季節!フランス料理のデザートの定番でもある、オレンジを使った「クレープシュゼット」からヒントを得て、クレープ生地を使ったケーキをおつくりしました。使うのは、神奈川県産の「湘南ゴールド」。さわやかなレモンイエローでフレッシュな香りの柑橘です。湘南ゴールドを合せたクリームとクレープ生地を何層にも重ねてミルクレープに仕立てました。
神奈川県産の柑橘「湘南ゴールド」
湘南ゴールドは、「黄金柑(きみかん)(ゴールデンオレンジとも言われる)と「今村温州」から、神奈川県で生まれた柑橘。「黄金柑(きみかん)」は、神奈川県の西部から伊豆半島にかけての地域のみで栽培される貴重な柑橘で、さわやかな香りと甘みが特徴です。また、掛け合せた「今村温州」は、温州みかんの一種ですが、栽培が難しいことから希少な品種。酸味が強く、糖度も高く濃厚な味わいです。この2種類の柑橘から生まれた湘南ゴールドは、さわやかな香りと甘さと酸味のバランスがとても良いのが特長です。
もちもちのクレープ生地とさわやかな香り
ミルクレープの食感は、1枚1枚丁寧に焼き上げたクレープによって生まれます。
今回のサンクス・ケーキでは、もちもちとした食感になるように、強力粉と薄力粉の配合の微妙なバランスを考えて生地をつくっています。湘南ゴールドをオーガニックシュガーで炊き上げて、オリジナルのマーマレードをつくり、マーマレードをさらにペースト状にし、生クリームやカスタードクリームと合せて特製のクリームをつくりました。
ミルクレープの底には、もちっとした食感のスフレ生地を敷き、マーマレードを重ねて、クレープ生地20枚と間には湘南ゴールドが香る特製クリームを重ねました。仕上げには、湘南ゴールドの果肉をオーガニックシュガーとオリーブオイルでマリネしてあしらっています。もちもち食感の20枚のクレープ生地と特製のクリームの織りなす贅沢な味わいに、湘南ゴールドの香りがふわっと広がる春のミルクレープが出来ました。
(開発担当:栗原 清)
湘南ゴールドのさわやかな香りがふわっと広がるミルクレープ