毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日
ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日(サンクス・デー)として、その日にしか出ない「サンクスケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。
2023年のサンクス・ケーキのテーマは、「あるがまま」。ケーキを組み立てる中で必要なソースやジャムなど、月毎の主役となる素材を使うことで、素材が持つ「あるがまま」のおいしさをお楽しみいただけるサンクス・ケーキをおつくりします。
ビーントゥバーチョコレートとは
毎年2月のサンクス・ケーキは、バレンタインデーにちなんでチョコレートを使ったケーキをおつくりしています。今回は、ラ・テール洋菓子店のパティシエール雨宮が担当いたします。
ラ・テール洋菓子店では、お菓子やケーキによってチョコレートを使い分けていますが、今回のサンクス・ケーキでは、ガーナ産カカオ豆を使ったカカオ分70%のビーントゥバーチョコレートを主役に、風味や味わいのバランスを考え選んだチョコレートを組み合わせてケーキをおつくりします。「ビーントゥバーチョコレート」は、カカオ豆(Bean)から板チョコレート(Bar)ができるまでの全ての工程(選別・焙煎・粉砕・調合・成形)を、 ひとつの工房で一貫してつくる、チョコレートの製造スタイルです。ビーントゥーバーの工房では、カカオ豆の個性を大切にして、中~低温でやさしく焙煎し、混ぜ合せるのは、お砂糖とカカオバターのみ。素材の良さを引き出すために敢えてすり潰し過ぎないのだとか。香り高いチョコレートに仕上がります。今回は、ビーントゥーバーのチョコレートをつくられている工房から分けていただきました。
フランス菓子「パリ・ブレスト」をアレンジ
1891年にフランスで始り、現在も続いている世界最古の自転車レース「パリ・ブレスト・パリ」。その創始者で著名なスポーツジャーナリストであるピエール・ジファール氏が、パティシエであるルイ・デュラン氏に、この自転車レースの象徴となるようなお菓子をつくってほしいと頼んだことから生まれたケーキです。クリームのおいしさがポイントとなるパリ・ブレスト。クリームに合せてもおいしいチョコレートを厳選したり、ケーキとしてのバランスを調整したり試作を重ねて、チョコレートのパリ・ブレストをおつくりしました。
チョコレートのおいしさを生かして...
パリ・ブレストは、クリームをたっぷりサンドするケーキ。お口の中にふわ~っと広がるクリームのおいしさがポイントとなります。クリームに合せたチョコレートは、クリームとの相性が良く、チョコレート本来の香りや味わいを感じていただけます。生地には食感のアクセントを加えたく、クッキーシューを焼き上げました。全体のバランスを考えて、クリームは甘さを控えめにして軽さをもたせ、ガナッシュ、板チョコレートも重ねて濃厚な味わいをプラス。少し早いバレンタインの贈りものにもおすすめのサンクス・ケーキです。
(開発担当:雨宮 瑞江)
バニラやシナモンなどのアロマが特徴の、ガーナ産カカオ豆を使ったビーントゥバーチョコレートを主役に、パリ・ブレストに仕立てました。