毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日
ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日(サンクス・デー)として、その日にしか出ない「サンクスケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。
2022年のサンクス・ケーキのテーマは素材との「新たな出会い」。
親交のある生産者さまが新たに取り組む素材や、新たに出会う生産者さまの素材を使い、また、サンクス・ケーキの開発に新たな職人が加わり、サンクス・ケーキをおつくりします。毎月心を込めてお客様への感謝の気持ちと共にお届けいたします。
新茶と京都宇治抹茶のブレンド
新緑の季節。お茶を使ったサンクス・ケーキをつくりたいと思い、京都のお茶屋さんにお伝えしたところ、宇治抹茶に新茶をブレンドすることによって、より香り高く、お茶のうま味がある色鮮やかな抹茶をおつくりいただけるとのことでお願いすることにしました。(甜茶を粉末にしたものを抹茶、緑茶を粉末にしたものを粉末緑茶と言います。)
フランスの伝統菓子「オペラ」
1955年にパリの洋菓子店・ダロワイヨで生まれたチョコレートのケーキ。グランマニエ(オレンジのリキュール)やコアントロー(フランス産のオレンジ風味のお酒)を入れたシロップをビスキュイ・ジョコンド(アーモンドパウダーを使った生地)に染み込ませて、ガナッシュ、コーヒーのバタークリームなどで層をつくり、チョコレートで仕上げたケーキです。諸説ありますが、パリのオペラ座を模してつくられたため、オペラ座の屋根に立つ、アポローン神像の黄金の琴をイメージして、仕上げに金箔を載せているとも言われています。
抹茶づくしのオペラの口溶けをお楽しみいただけます
今回のサンクス・ケーキの開発担当は、シェフの栗原です。素材を抹茶に決め、オペラをおつくりすることにしました。底面には、ザクザクとした食感が楽しい、ピスタチオ入りのフィヤンティーヌを敷き、抹茶とキルシュ(さくらんぼのお酒)でつくったシロップを染み込ませた、抹茶のビスキュイ・ジョコンド、ミルクチョコレートのガナッシュ、抹茶のバタークリームなどを合計10層に重ねて、抹茶とホワイトチョコのグラサージュで仕上げました。濃厚な味わいなので、新茶と宇治抹茶の香りの余韻が・・・。味わいのハーモニーはもちろんのこと、食感の"一体感"を大切にして、切り分ける際にナイフがスッと入り、ひと口食べた瞬間にふわ〜っと溶けていく感覚をお楽しみいただける仕上がりとなりました。茶畑のお茶の木をイメージし、表面を少し丸みのあるシルエットに。新茶・抹茶が主役の新緑の季節にふさわしい一品です。(開発担当:栗原 清)
新茶をブレンドした茶師厳選の、香り高く色鮮やかな宇治抹茶を何層にも重ねた、口溶けの良いオペラです。