毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日
ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日(サンクス・デー)として、その日にしか出ない「サンクスケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。
2022年のサンクス・ケーキのテーマは素材との「新たな出会い」。
親交のある生産者さまが新たに取り組む素材や、新たに出会う生産者さまの素材を使い、また、サンクス・ケーキの開発に新たな職人が加わり、サンクス・ケーキをおつくりします。毎月心を込めてお客様への感謝の気持ちと共にお届けいたします。
宮城県生まれの苺「にこにこベリー」
2018年より出荷が始まった宮城県生まれの新しい品種の苺「にこにこベリー」。
にこにこベリーは、宮城県のオリジナル品種「もういっこ」と、栃木生まれの「とちおとめ」の交配から生まれました。鮮やかな赤色で、実は大きく、熟してもしっかりとした歯ごたえのある苺です。一番気になるのがこのネーミング。宮城県にて先に生まれた「もういっこ」に続く「にこ」そして味わう人もつくる農家さんも「にこにこ」笑顔になれますように、と想いを込めて名付けられました。
春を告げるケーキ「フレジェ」
今回のサンクス・ケーキは、フレジェ。フレジェはフランス版ショートケーキとも言われ、フランスでは、春になると酸味の効いた小粒の苺を使ったフレジェがパティスリーに登場します。ビスキュイ生地(卵黄と卵白を別々に泡立てつくるスポンジ生地)でカスタードクリームとバタークリームを合せてつくるムースリーヌと苺をたっぷりサンドし、仕上げにはベリーのソースでグラサージュしたり、苺や木苺で飾られたり...まさに春らしいケーキです。
苺の瑞々しさとやさしい甘さのオリジナルフレジェ
今回のサンクス・ケーキの開発担当は、パティシエの神田です。4月のサンクス・ケーキをつくるのであれば「苺」と決めていたとのこと。今年のサンクス・ケーキのテーマである「新たな出会い」を求め、今まで使ったことのない苺を探しました。そこで出会ったのが、宮城県の山元いちご農園さんでした。伺ったところ、4月のサンクスデーに苺「にこにこベリー」をご用意いただけるとのこと。ネーミングもかわいらしく、さらに甘さと酸味のバランスも申し分ない苺です。苺のケーキであればフレジェをつくろうと試作を始めました。ムースリーヌには軽さを出したくメレンゲを少し合せました。また、ムースリーヌに使うカスタードクリームの牛乳はココナッツファインで煮出すことにより、香りを移しました。生地はビスキュイ生地ではなく、ジョコンド生地(アーモンドや粉砂糖と小麦粉や卵を合せた生地)を合せました。木苺のグラサージュと苺、ココナッツファインで仕上げました。ジョコンド生地のアーモンド風味、ムースリーヌにほんのり香るココナッツ、苺の甘さと酸味、そして瑞々しさが相まって春らしい香りと味わいをお楽しみいただけます。春は始まりの季節!サンクス・ケーキとともに皆様にエールをお届けできたらと思います。
(開発担当:神田 千恵)
春を告げるケーキ「フレジェ」をアレンジしたケーキ。宮城県生まれの苺「にこにこベリー」をたっぷり使いました。