毎月10日はラ・テール洋菓子店のサンクス・ケーキの日

ラ・テール洋菓子店の開店記念日は1998年5月。その初心を忘れないために、毎月10日をお客様感謝の日（サンクス・デー）として、その日にしか出ない「サンクスケーキ」を毎月一品開発し、ご予約のお客さまにだけにお渡ししています。この日だけのケーキですが、素材の産地を厳選し、通常のお菓子と同じように開発、準備をしてでき上がったものをご用意。数量も限定させていただいています。 サンクス・ケーキには毎年、年間を通じてのテーマがあります。たとえば、「ロールケーキ」の年もありましたし、「チョコレート」「シュー生地」がテーマの年もありました。

2021年のサンクス・デーのケーキのテーマは、ラ・テールの職人たちが、「今までに出会ったおいしいお菓子」。 担当者の人生観を変えるようなお菓子との出会いとストーリーを、今の自分が表現し、一期一会のケーキに仕立てます。

4月サンクス・ケーキ Vol.268

「春が来た！」

修行から日々学んできたこと

今回の開発担当は、菓子職人歴15年以上になる神田。 フランス菓子を基本とする洋菓子店でパティシエールとしてスタート。

始めは、お菓子をつくることには携わることが出来ず、まずは、お店に立ち、お店のことを知るところから始まりました。

約2年後、ケーキの仕上げや準備などからパティシエールとしての階段を上っていきます。 その後、町の方々に愛される洋菓子店に移り、修行を重ね、洋菓子の魅力をさらに知ることとなり、ラ・テールでは、素材へのこだわりを学び、菓子職人としての経験を積んでいます。 素材の組合せは、無限にあり、発見や気づきの連続です。今回のサンクス・ケーキでは、その経験を生かして、オリジナルのアントルメをおつくりします。

こだわりの7つの生地やムースを層に・・・

清見オレンジやショコラを使ったジャムや生地、ムースを仕立て、重ねていきます。 底には、スポンジクラム（細かくしたスポンジ生地）にオレンジの果肉やオレンジのお酒を合せた生地を敷きました。その上に、サクサクとした食感が楽しいフィヤンティーヌ（薄く焼き上げた生地を細かくしたもの）を合せたチョコレート、シロップに漬けたオーガニックプルーンを合せたショコラのムース、小麦粉を使わずに軽い食感に焼き上げた生地"ビスキュイ・ショコラ・サン・ファリーヌ"、清見オレンジの自家製ジャム、清見オレンジの果汁をたっぷり使ったムースを順々に重ねていき、最後に清見オレンジのグラス（艶やかに仕上げるゼリー状のもの）をかけて仕上げました。 これらの層、一つひとつに今まで修行したお店で出会ったおいしさの要素や生地の使い方、ラ・テールでの製法などを盛り込んで仕上げていきました。 層の厚みや配合で全体のバランスが変わってきます。パティシエールとしての経験を積んできたからこそ、つくり出せるおいしさを生み出すことが出来ました。

和歌山県の農家さんの清見オレンジ

今回のサンクス・ケーキでは、和歌山県の農家さんから旬の清見オレンジを送っていただきます。こちらのフルーツガーデンさんでは、残留農薬を減らす努力をされていて、収穫予定日より最低でも60日前からは農薬は使わずに栽培されています。また、ワックスや防腐剤は使用せず、出来る限り安心してお召し上がりいただける果物の栽培に取り組まれています。

甘みが強く、濃厚な味わいで、果肉が柔らかくとてもジューシーな清見オレンジです。 サンクス・ケーキだから出来る、パティシエールこだわりのケーキです。

（開発担当：神田　千恵）