「自然に生きる」
私たちの経営理念であるこの言葉は、シンプルですがとても奥深い言葉です。
現在の食を取り巻く環境はとても複雑で多様性に富んでいます。グローバル化の進行とともに経済的にも豊かになり、飽食の時代を迎えています。
一方、日本での食品の廃棄量は1940万トンで輸入量の1/3もの量、5000万人分の食料に匹敵する量を廃棄しているのです。
この飽食の時代に、1998年に私たちは食というものを本質的に考えるところからスタートしました。
嗜好品としてのお菓子ではなく、まず食べ物としてのお菓子というものを考えました。
当然、私たちの体は食べ物で成り立っております。どこでどうやって作られている作物を使うのか、どういった想いで農家さんたちは作物を作っているのか、私たち職人も日々絶え間ぬ努力をすることで技術力を磨いております。その職人だから生み出せる本物の味を追求しています。そう言った想いを伝えられるようなお菓子、パン、料理を提供しようと考えました。
添加物は使いたくない、本当においしい素材を自分たちの目で確かめながら使いたい、農家さんと直接連携してその想いを伝えたい、職人だからできる味作りを行なっていきたい、などと当たり前のことだと思っていましたが、始めた当初はとても苦労しました。チョコレートなど原材料から乳化剤が入っていたり、マスタードやビネガーにもよく見るとビタミンCが入っていたり、オーガニックや安心できるものは値段も高く、こんな値段ではお客様に買っていただけないという値段になってしまったりと。
継続できなければせっかくの想いも伝え続けることができません。
まだまだ途上ではありますが、これからも私たちの想いを実現するためにも知恵を絞り、深く考え新たな価値を生み出して世の中のお客様へ本物の食を提案できるように努力して参ります。
1998年の5月に「ラ・テール 洋菓子店」を創業し、ブーランジェリー ラ・テール(三宿本店)、ラ・テール メゾン(三宿のレストラン)をオープンし、都内を中心に出店をしてきました。
2017年6月には北海道美瑛町にて「フェルム ラ・テール美瑛」をオープン致しました。これは今まで「洋菓子」「パン」「レストラン」という業態での展開、成長をしてきましたが、「フェルム ラ・テール美瑛」は食の総合ショップに発展させるきっかけとなりました。
北海道という原材料の宝庫、中でも美瑛町は小麦を中心に農作物が豊富にある地域です。2014年からは美瑛産の小麦で、ラ・テールオリジナルの配合で小麦を製粉してもらい使っております。
「農業」と「食」、これは切っても切り離せない関係にあり、私たちが全国の農家さんを訪問して築いてきた関係をさらに強化するものです。美瑛は私たちの「ふるさと」です。
私たちが考える「食」に対する考え方を、洋菓子、パン、料理、その他食品を通じて、東京・三宿本店、北海道美瑛町のふるさとから情報発信していきます。
こういった考えが、私たちの提供する商品やサービスを通じて、少しでも皆様の心を豊かにできるように、また少しでも「農」と「食」のつながりを感じていただき、笑顔になっていただけるよう、日々努力してまいります。
私たちの店舗の近くにお越しの際は、どうぞお気軽にお立ち寄りください。お待ち申し上げております。
代表 小林 健太郎